vol.27 注射しちゃうぞっ★

さぁ！

今日からお注射の日々だぉ★

あたしが外に出られない理由のひとつに
注射を祖母にうたないといけないんだけど、
前の病院のときに看護婦さんに注射の打ち方をみっちり習いました。

人に打つなんて、感覚が一切わからないでしょ？
だから最初すっごいこわかったのね。
どのあたりにっていうのとかいろいろ教わったのだけどね。

注射打つときに指で軽くはじいて、
空気の玉を上(針先)にいかせるのですが
試しうちを必ずしないといけません。
注射針を上に向けて、
ぴゅっ★
ってやるアレが大好きなの（笑
そういうふうに空気を抜くことをエア抜きっていうのですが
今では、このエア抜きの瞬間が
たまらなく好きになってきました（笑

でも人に打つのはさすがに怖くてね。
最初は脱脂綿で消毒する時点でもう怖くて（笑
とりあえず2ヶ月以上は毎日やっていたことなので
モチロン手馴れてきましたが
今度はあたしがいないときの為に父に教えてるのですが
父親は相変わらず力が妙に入りすぎてダメなの。
こちらに力が入ったらダメなのに。

そもそも皮下注射、静脈注射、筋肉注射みたく種類が別れてるわけだけど
あたしって注射打つ才能あるんじゃないのかしら？
って時々ですが自負するくらいです（笑

変な趣味に走らなければいいのだけどなぁｗｗ

もう手遅れかナァ(*´◎`*)

離れてみて感じること

あと一週間ちょっとで祖母が退院します。
家に戻れば、これまで病院でやってくれてたすべてを、
またあたしがメインで24時間体制でやらないといけません。

これまでつかまりながら一人歩けてたのに12月下旬に二回転倒したことで
祖母はすっかり寝たきりになってしまいました。

排泄はもちろんのこと、
食事も口まで運ばないとできなくなりました。
あたしは大声で叫びたくなるくらいにおかしくなりそうな感覚に幾度となく陥ってきたし
家庭に戻ればまさに戦場。

少しでもADL（日常動作）があがるようにと
病院に毎日通ってはベッドから離れさせたり車椅子から離れさせて歩かせてみたり、
要するにリハビリを徐々にさせています。

そのリハビリをする気分にさせるのが実にむつかしい。
病院のスタッフに声をかけられても、
父が声をかけてもリハビリをいやがります。

そもそもリハビリってさ、
なんのためにあるんだって話だけど、
確かリハビリの理論体系はベトナム戦争にまでさかのぼります。
ベトナム戦争で足を失ったりした帰還兵が、
足を失った状態でどんなふうにこれからの人生をいきのびていくか
それがそもそものはじまりだった気がします。

要するにリハビリ理論のおこりは戦争にかり出されるくらいに若い人が対象であって
彼らには未来があり、家庭をもったり、いきるためにリハビリは必要なのです。

祖母もリハビリは確かに生きるためではあります。
だけどベトナムのその理論と老人介護と違うあまりに大きな点は
正直いえばその先、生物学的に生きられる年数の違い。
祖母は80をすぎていますから帰還兵と違い、
体力の衰えがかなりあります。

あたしは8年前に祖父を亡くしましたが、
祖父は最後まで生きたい！と、認知症になってもいってました。
病院の部屋では大勢とガヤガヤさわぐのが大好きで
最後まで音楽も大好きという人でした。
友達も多かった。

一方祖母はいかにも大正生まれというかんじで
口数もほとんどなく話し掛けることはまずない人。
話し掛けられるのも嫌がります。
趣味もまったくありませんしテレビすらみたくないという。

要するに「生きたいきもち」がこれまでなかった人。
という言い方は語弊があります。
生きるだけで必死だった時代を潜り抜けてきた人。
その時代の人がみんなそうかといえば
それぞれだとは思いますが。

そういう趣味もなにもない、
いわば生きていく目的がない人に、
どうやってリハビリさせるという、「生きるためのプロセス」への動機をつけるかが一番問題。
そう、リハビリは手段であり、リハビリすることそのものは生きる目的じゃないからね。

だから早くなおして一緒に買い物しようね、
とかいいながら祖母の心の奥を探しています。

そんなかんじでもはや半年経過しました。
半年の間、本当にとっても終末医療について考えました。
生きるためにリハビリをする延長線上に、
常に生きる目的をかかげないと
人は弱いものだから。

おそらくこれまで何度も生きることを粗末にしてきた
きっとその代償なのかもしれない。
昔のあたしにできなかったかもしれないけど
今のあたしになら、多分できること。

こういうことを誰にもいえずにずっといたら
去年、友達から電話がかかってきていわれた。

「乗り越えられない試練はないっていうから大丈夫だよ。
これまでのれいあさんだったら難しかったかもしれないけど
今のれいあさんなら、乗り越えられるから、
だからそういうことが今おきてるんじゃないかな」

電話口なのをいいことに思い切り泣いてしまった。

ありがとう、ってココロから思ってるし
これからもこんなあたしだけど支えていってほしいって思った。
彼には本当に世話になってばかりいる。


先月、加藤茶さんが会見で
生かされていると感じた
と話したのはおそらく生きる目的の中に
自分に与えられた使命、といったら大げさだけど
そんな二つがかさなってる幸せな人だなと思いました。


今日、祖母の退院の日時が正式に決まりました。
今日はケアマネさんと、主任看護士さんと、
明日もまた栄養士さんと話を詰めていきます。
あたしにしかできないこと、が多すぎるのですが
その責任の重大さ(人の命を支えることといったら大げさですが)とか感じる余裕なんてありません。
がむしゃらで、不器用だけど
前に進むしかない。

リハビリも毎日あたしが中心でやっているのですが
(リハビリ施設がないところなので)
入院したときは、ベッドから起き上がれないどころか
寝返りすらうてなくて、
さっきも書いたけど食べ物もクチに運ぶ状態でした。
入院から今日で15日たちましたが
そんなひどい状態だったけど
今では起き上がれて、車椅子へも一人で移れるようになって
バーにつかまり歩きまでできるようになり、
昨日からは、あたしの支えがないとダメですが
歩行器で、少しだけど歩けるようになりました。
半月で、すごい回復力だって思います。
だけどその回復力っていうのは
もちろん祖母のがんばりもかなりあるのですが
最初はそんな余裕もなく、
あたしも余裕がなく。。
病院のスタッフとかはじめとして
いろんな人の支えがあって、はじめてここまでこれたわけであって。
本当に人は一人で生きていけないのだ、
誰かに常に支えられているっていうことに
気づかないといけないのかな
そういうふうにこの半月で思い知らされました。

確かに大変ではあるんだけど
今、ここにおきてることは
あたしはそこから何か学ぶべきものがたくさんあって
今はそれを一生懸命吸収しているかんじです。

あと1週間もしたら
今みたいなどちらかといえば自由な時間も
寝る時間もなくなりますが
ときどき離れてみることで、
お互いの存在を知り、価値を知り、
そういうのをわかるというのは
自分の中にある豊かさみたいなものを
知るプロセスなのかなってここ最近思います。

そういうのって恋愛にも似ていて
離れてみることで
近すぎて見えなかったことってかなりあるはずで
「離れる」というリスク以上に
豊かさを確実に感じられる、
そんな恋愛を重ねていけたらいいなって思いました。

睡眠障害

ここんとこ睡眠をすごくしっかりとっています。
これまでも、最低7〜8時間は寝ていたのだけど
やっぱし家庭介護というものをするようになってから
睡眠時間が極端に減ってしまいました。
あたしは食欲よりも睡眠欲がかなり強くて
かといって電車とか誰かの部屋とか、自分の部屋以外では寝れないタイプ。
介護をしてると自分の時間がとれないのが何よりもつらいですね。
ちょこっとメールをチェックとかならできるのだけど
メールに対する返事をするには「対人」なのでそれなりのまとまった時間がないとどうも返事すらまともにできません。
こういった日記っぽいものはある程度「書きだめ」ができるので、考えがまとまっていれば書けるのだけどね。
ていうか書き貯めするから文章が長くなるともいいますけどね、反省(´･ω･`)

睡眠障害でかれこれ長い時間、かつてあたしは悩んでいたのだけど
そのときは睡眠障害外来にいくこともしましたね。
結局そのときは軽めのハルシオンを出されてサーカディアンリズムを整えていくってやりかただった気がします。
眠剤もかなりの種類、飲みました。
というか、もうコレクターに近かった（笑
今ではハーブティで風邪を治すくらいの域に達していますが（笑
もともとクスリが好きなんだろうなって思う。
クスリを飲むときのちょっとしたドキドキ感ってわかるかな。
クスリのパッケージをまざまざと見てウキウキしちゃったりとかってわかるかな（笑
クスリは1シートでとっておく！っていう変なこだわりがかつてあって、
本来治すために出されたクスリを飲まないでコレクションしてたりというかんじでした。
で、ときどきクスリを出してニヤニヤしてみたり（笑

睡眠障害で大切なのはサーカディアンリズムだといいましたが
ココロの病にもだけど朝日にあたることは本当に大切みたいですね。
だけど、話を戻すと介護をしてると
日光に当たる時間がとれないんですよね。

とりあえず自宅にいるの。
だけど自分の時間がとれない。
それって実際やった人でないとわからないことだって思うのだけど
時間をとにかく拘束されるのね。
とにっかく拘束だの束縛だのがあたしは大の苦手で、
それにかなりのストレスを感じてしまうんですよね。

あたしは父方の祖母をほぼひとりで介護してるのだけど
お年よりって朝早いでしょ？
（ていうかあたしが朝が苦手なんじゃ？ともいいますが；）
しかもお年よりは夜が早いとはいえ、
睡眠の質は確か65歳をすぎると下がるといわれているので(違っていたらすみません)
長く寝ているようでいて、眠りが浅いっていうことが多い。
そんなときに睡眠薬、なんだけど
眠剤や向精神薬のことをあんまし知らない医者に下手に出されるよりは(副作用や血中半減期や特性について)
長い間睡眠障害とつきあってきたあたしのほうが詳しかったりすることもしばしば（笑
医者に対して
「これって半減期が長いからもう少し短いものでお願いします」
とか注文をつけてしまう厄介な患者です（笑
あたしはインフォームドコンセントって大切だって思うし
自分や家族の「命」にかかわることなわけだから
しっかりギモンはきいておくべきだし
ガイドライン(治療方針)もしっかりきいておいたほうがいいと思うんだよね。
言った、言わないであとで問題がおきるよりも
病院と患者やその家族の間に風通しのいい関係をつくったほうが後々いいと思うんだよね。

これまで睡眠障害に長い間かかっていたあたしですが
2年前から眠剤をまったく飲まないようにしています。
これまで眠ることにこだわりみたいなものがあったのですが
睡眠の質がよければ短くても平気だっていうことに
カラダがようやくわかってきたのもあるのだけど。
だけど基本は8時間睡眠なんだよね（笑
7〜8時間眠るとすごくスッキリして心地いいの。
家庭介護に携わるとそれが難しくて
1.しっかり眠れない
2.自分のやりたいことが思うようにいかない
3.外に出れない
4.音楽すらきけない(いつ呼ばれるかわからないので)
5.必然的に他人との交流がなくなってくる

そんなこんなを続けていると
何度かすでにあったのだけど
ある日ぷっつり自分の中で何かが切れてしまうことがあるんだよね。
近所の人とかにも「おばぁちゃんどう？」ときかれたりするので答えるのだけど
たとえ大変ですといっても
「アナタは若いんだから大丈夫よ」
のヒトコトで終わってしまうとかさ、
今高齢化社会だから「老老介護」っていう問題がある中で
たしかにその点あたしは若いわけではあるけど
ストレスはストレスで変わらないんだよね。。。
かといって友達にグチこぼせる内容でもなくて...
結局自分の中で消化しようと努力するんだけど
うまく消化できない気持ちがふくらんでいってしまってね。
そんなこんなが自分をどんどん追い詰めていってしまってるのが時々わかるんだよね。

先日からヘルパーさんに来ていただいたんだけど
堰をきったようにないてしまったこともあってね。
あたしが知るヘルパーさんの多くがこれまで
自分の親なんかを介護してきた人なのですが
あたしには他人の介護ってできないなって思うので
すごく尊敬します。
去年病院に入院しているときに介護職の人と知り合うことは多かったのだけど
そのときの人たちは、
うーん、こんなこといってしまっていいのかな...
結局「やっつけ仕事」と思えてしまうような人が多かったのね。
経験が少なさ過ぎるというのもあるのだろうけど
他人の気持ちをしっかり考えられないような人が去年接した人には多くて
うちの祖母はそこで虐待されてたんですよね。
誰が担当のときか、とかしっかりチェックして婦長に警告しましたけどね（ｗ

たしかに介護の仕事はキツイのはこっちもすごくわかるけど
仕事として選んだならば、辛くても最後まで責任をまっとうしろよな！
って思うんだよね。

正直介護の場は戦場です。
大げさでなくてそう思います。
それくらいキツいし、ハッキリいって給料もそんなもらえるわけでもない、
でも中途半端な気持ちでいるくらいならやめたほうがいいだろって個人的には思うんだよね。
それはその人の為にもね。

そんなこんなで去年くらいから「人」をすごくみるようになりました。
たとえばこの人にはこれ以上いってもダメかなと思うと
すっぱりあきらめたりとか、
逆にもっとどういう人かわかりたいなというときはもっと時間をかけるのだけど
それって基本のことかもしれないけど、
すっぱりあきらめる度合いが強くなってきたというのかな。
最初からこの人に何いってもムダだって人に
エネルギー費やすことがバカらしくなってきたともいうべきかな。

でもそれってもしかしたら他人を信頼していないのではないのかなって思うこともあります。
結局自分しか信じることができないのでこうするよりほかにないんだけどね。